星屑ビーナス
「奥谷さんいつもネックレスに指輪通したのつけてるじゃない?あれ絶対彼氏から貰った物だよねって、よくうちの部署の子たちも言ってるんだけど」
「……」
何も知らないのであろう純粋な問いかけの浅田さんの言葉に、真崎さんの視線も私の首元のネックレスへと向く。
その視線に、胸が痛い。
「…あはは、彼氏なんていませんよー。これも、そんな大した意味のあるものじゃないですから!」
「?そうなの?」
そう
大した意味なんてない
愛だとか未練だとか
そんないい意味のものじゃない
「何だよ、寂しい20代だな。仕事ばっかしてないで男の一人二人作ってみろ」
「……」
「結婚したって仕事は続けられるんだから。さっさと結婚して女の幸せを…」
…女の幸せ?
幸せ、って なに
結婚、
結婚、って
「っ…」
瞬間私は、ダンッ!!と勢いよくテーブルを叩いた。
その力強い音に、テーブル内はもちろん近くの席の人たちもこちらを見る。それでも、言葉は止まれない。