恋の相手はお隣さん。
「ひび……き?」
響の行動すべてが刺激的すぎて、自分の力じゃ立つこともままならない。
私の肩を掴んだ響は、射るような眼差しを向けてきた。
「俺を本気にさせる覚悟があるのか? お前」
「覚悟、って……何?」
響を好きなだけじゃダメなの? その気持ちだけじゃ、足りないの?
疑問が頭をもたげたものの、戸惑いばかりが先に立って言葉にならなかった。
響はカチャリと音を立てて鍵を開けると、私を外に出るように促しながら、追い打ちをかけるように言った。
「次にこのドアを開ける時までに考えろ。覚悟がないなら――開けるな」
そのままゆっくりとドアが閉まっていって、響の姿が消えていく。
次にこのドアを開ける時……私は一体、何を覚悟すればいいの?
「ハッキリ言ってくれなきゃわからないよ……響……」
何もかもがわからなくて、握りしめた手をドアに縋るように押し当てながら、ただ涙を流すことしかできなかった。

