高校生彼氏
怒鳴りつけるつもりじゃなかった。でも我慢できなかった。溢れる感情がコントロールできないなんてやっぱ俺ガキだな………
「………ごめん。でも俺だって好きでこんな容姿なわけじゃないよ。見掛けで判断しないで中身見てよ。俺だって南さんの中身が好きになったんだ」
勢いで落ちた傘を拾い、彼女に差し掛ける。相変わらず険しい顔で一点を見つめたまま……。
「あの時嫌いにならないでって言ってたけど……嫌いになんかなるわけない。こんなに好きなんだから」
「………」
「それとも年下は嫌?俺みたいなガキに興味ない?でも言ったって俺五月で18なったし、二つしか違わないよ。」
「……の」
「え?……ちょっ!」
感きわまったようにポロポロ泣き出す。泣かすつもりなかったから正直慌てた。
「頼むから泣かないでよ。そんなに嫌なら俺………」
「…自信がないの」
「自信?なんの?」
「高嶺の花って言うのかな。アイドルに憧れてるようなものだったの。ナースの間じゃちょっとした人気者だったんです。笑顔が素敵な爽やか系イケメン君がいるって。でも所詮手が届かない存在だと思ってたから」
またイメージだけが先走ってる。爽やかじゃねーってば。こんなスケベでズルくて我が儘なのが爽やかなんて笑わせる。
「最初はあの時。初めて病室に行った時、なんて素敵なんだろうって…。辛そうにしてたから思わず触ってしまってそんな自分が恥ずかしくて。手が触れて意識しちゃって躓いて迷惑かけましたけど………それなのに自信持てって言われて嬉しくて…」
そういえばあったなそんなこと。あの時急に手引っ込めて感じ悪いって思ったけど……そういうことね。
「だから私ずっと背筋意識して伸ばすようにしてたんです。そしたら自然に体重が減ってきて………ワンサイズ。まだまだですけど」