いろんなお話たち
哀色
小学校卒業間近。
それまで経験したことのない頭痛に、私は倒れた。
意識を取り戻した時には体の半身が動かなくなっていた。
学生生活を半分失うことになるが、懸命なリハビリのおかげで杖なく歩けるようになった。
良い言語療法士にめぐり合うことができて、言葉もほとんど取り戻すことができた。
後遺症として右半身の麻痺が残る形に、視界も片方だけとなったのだが、それでもまだ私は軽いほうだと思う。
中学校生活はほとんど治療にあたったため、勉強はあまりできなかった。
そのため高校は養護学校へ入学。
病気や障害は違えども苦難を分かち合う仲間ができた。
正直、昔の同級生とは疎遠になっちゃったから、新しい友達ができたことは良いこと。
良いこと、なのだが。
友人と買い物中に助けた一人の女性。
御礼にとまるで茶菓子をあげるかのように自らの従者をそれぞれ私達に押しつけた。
友人はそれを私を護れという命令で突っ返したらしい。
私が同じように彼に告げた時には、ところが反抗的な態度をとるそいつは首肯せず。
スワロウテールの執事と白い長衣に身を包むボディガード。
なんとかして二人を追いだす方法を探したが、一向に見つからず2年が経とうとしている。
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