いろんなお話たち
やさしい雨
『私と先輩と……、どっちがトオル先生の彼女として相応しいか、先輩頭いいからわかりますよね? ただでさえ“先生と生徒”ってカベがあるのに、先輩その体じゃ……無理でしょ、明らかに』

鼻で笑った魅紅ちゃんが、正論だった。
協力してと言われたけれど、はなから私は協力する気なんてなければ、ライバルとして頑張る気力もなかった。
同じ障害がある仲間なら、どうするだろう。
体のハンデなんてそんなの関係ないって頑張ったかもしれないけど。
普段からマイナス思考の私には、ポジティブ思考になんて考えられない……。
『協力はできないけど、…先生との距離は置く。それでいいでしょ?』
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