【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー



午前中レポートに追われ、既にぐったりした私だったけど、澪ちゃんと共にバスと電車を使い、糸満市に訪れていた。



永太が段取りを組んでいてくれて、言われた場所に着くとガイドさんが来てくれていて、そのガイドさんに轟の壕(とぅるるしがま)へと案内された。



今まで、幽霊なんて信じてないし怖くない、と言うより生きてる人間が一番怖いという考えを持っていた私。



けれど、壕の入り口に立った瞬間、体が重たくなり、早くこの場から立ち去りたい、逃げてしまいたい、と本能的に思った。



そんな私の手を、澪ちゃんがぎゅっと握ってくれる。



「うとぅるさん?………わんも、でーじ、うとぅるさん。」



うちなーぐちだったけど、怖いかどうか聞いてくれているな、と何となく分かり、澪ちゃんと繋いだ手から温もりと微かな震えを感じる。



「怖いけど、ちゃんと感じなきゃ。」



此処で起きたことから目を背けてはいけないと思う。こんなに震えててカッコ悪いけど、そう思うんだ。
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