【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
永太は歯ブラシを握り、空いた左手で私の頭部をぐりぐり、と撫でる。



「そういえば、雅治も髪色リペアしたいと言ってましたね。今日はお昼から美ら海水族館に行こうと思ってましたが、先に澪の家の美容室にでも行きましょうか。」



そっか、確か澪ちゃん家って自営で美容室やってるんだっけ。



「澪のお母さん…ひばりさんとこの美容師は皆さん腕利きですし、俺も雅治も行きつけですから、安心なさい。」



「うん!楽しみー!」



美容室に行けるのも楽しみだけど、澪ちゃんのママに会えるのも楽しみだ。



「っていうか、雅治あんな銀髪だけど、毎日会ってるけど、黒い部分無くない?」



「あー、雅治の髪の毛はね………会ったとき良くご覧なさいよ。」



しゃこしゃこ歯みがきを進める永太の含みのある言葉に私は首を傾げながら、自分も歯ブラシへ手を伸ばした。
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