【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー



美味しいご飯をご馳走になり、雅治の家で澪ちゃんと別れ、私と永太は今にも降ってきそうな星空の下を歩く。



「やっぱり星空、綺麗だよね。」



「そうですね。いつも当たり前のように見てますが、やっぱり綺麗なものは綺麗です。」



昼間はどこまでも続くビビッドブルー、夕方は水彩絵の具を落としたようなグラデーション、夜は満天の星空。沖縄は、どの時間を取っても美しい。



「青空も、夕日も、星空も………貴方と眺める時間がもう少しで終わってしまうのは残念で堪りません。」



当たり前になりつつあった沖縄の日常は、もう数える程しかない。



永太のスーパーエロボイスも、理不尽な鬼畜も、澪ちゃんのほんわりした無表情も、温かな掌も、雅治の眩しい笑顔も、賑やかな歌声も、もうあと少ししか見ることも聞くことも感じることも出来ないんだ。



「もー……泣きそうだからそういうこと言うの止して。」



「貴方を泣かせるのは俺も心が痛みますが、それは寂しいと言ってくれているのと同じなんで、嬉しいですよ。」



泣かせるのは心が痛むなんて、本当にこの鬼畜が思っているのだろうか、なんて考えが脳裏に過ったけど、言ったら全力で泣かされそうな気がするから止めておこう。



永太の方を見れば、永太も切れ長の目でこちらを見ていて、私達はふっと噴き出して笑顔になった。
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