負け犬予備軍の劣等人生
着いた事務所は
代官山にある、お城みたいな
マンションの一室だった。


事務所がマンションの一室
ということはよくあることなので、
さほど驚かなかった。


小さな事務所の中には、
今時ポマード(?)で
しっかり固めた
オールバックを決めた、

30代半ばくらいの
オジサン一人だった。


聞けば、彼は
ディレクターの一人で、
今回、5人のディレクターが
それぞれ、新人を発掘して
デビューまで育てる
という企画に私を
抜擢してくれたらしい。


そして、
会社のこと、
これからのこと、
いろんな話をして、

私もだんだん、その企画に
一緒に乗りたいと
心から思っていた。
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