君のイナイ季節
「え、モデル?」

お昼休み。

3年になってクラスが別々になってしまった拓海くんは毎日、私を教室まで迎えに来て、屋上で一緒にお弁当を食べる。

「うん。私と拓海くんに出て欲しいんだって」

「ふーん」

拓海くんは俯いた。

バイク以外の事であまり目立ちたくない拓海くんは嫌な様子で話を聞いていた。

興味のないことには本当に無関心。

露骨に顔の表情に出る。

「嫌なら断るから」

そう言った瞬間、後輩が私の名前を叫んでいるのが聞こえた。
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