君のイナイ季節
本当は。

帰りたくない。





でも、言えなかった。





このまま家じゃなしに。

二人で遠くに

行きたいって思った。



バイクに乗る前、ヘルメットを被る前に。

拓海くんは私を見つめて

微笑んだ。



ちょうど街灯の真下で。

拓海くんの顔が白く光って見えて。

凄く綺麗だった。



帰りたくない。

もう少しここにいたい。
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