君のイナイ季節
「じゃあ、行くよ」

拓海くんは私にヘルメットを渡した。

私はゆっくりと受け取る。

拓海くんを見つめようと顔を上げたけど。

拓海くんはもう前を向いてヘルメットを被っていて。

声をかけられなかった。



バイクのエンジンがかかり、タンデムステップを広げて拓海くんはバイクに跨がった。



私も後ろに乗った。



動き出すバイク。

私は拓海くんの腰にしっかりと腕を回した。
< 177 / 205 >

この作品をシェア

pagetop