君のイナイ季節
私は溢れそうな涙をぐっと堪えた。



ここで泣いちゃダメ。



ここで負けちゃダメだよ。



私はまだ、生きなくっちゃいけない。



辛いけど、泣いてばかりもいられない。



きっと拓海くんは心配して。



天国に行けなくなっちゃうし、いつまでも泣いていたら



『真由ちゃんには幸せに生きてほしいから。僕の願いはそれ一つなんだよ』





彼の、最後の願いを無視する事になるから。



私は真っすぐ前を向いた。
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