君のイナイ季節
「どうしたの?」

拓海くんは私をギュッと抱きしめてくれた。

「なんか、寂しくなった」

「…じゃあ、もう少しだけ一緒にいよっか」

拓海くんの言葉に私は頷く。

そして、拓海くんは私の額に軽くキスをした。

その温もりが額から全身へ伝わる。

今度は私から拓海くんの唇にキスをした。

ドキドキが止まらない。

このままずっと一緒にいれたらどれだけ幸せだろうって思う。

離れたくない。

でも。

そんな事は言えない。

私に構っている時間があれば、彼は一秒でも早く、夢に向かって進むべき人なんだから。



こんな風に引き止める事が出来るのは今だけ…

でも、今だけでも。

拓海くんを離したくない。
< 40 / 205 >

この作品をシェア

pagetop