君のイナイ季節
「でも」

一通り見て回って、私と拓海くんは外の駐車場でひなたぼっこをして休憩していた。

「僕と祥太郎は本当はイトコなんだ」

「え…?」

「祥太郎の本当の両親、いやお母さんは僕の母さんの妹。お父さんは知らない。」

拓海くんの目はなんだか切ない表情を見せていた。

「赤ちゃんの祥太郎をいきなり母さんに預けて行方知れず。父さんと母さんは祥太郎を養子にしたんだ」

…複雑、だな。

総一さんにしても何らかの事情で預かったんだろうし、本当の弟に見えた祥太郎くんは拓海くんのイトコだと言うし。

「でも」

拓海くんはニッと笑って

「血の繋がり以上に僕らは繋がっているよ。だからチームワークもいいんだ」

そう言う拓海くんの顔はなんだか嬉しそうでホッとした。
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