With 〜十字架と白薔薇〜
幹部たちの声が揃う。
私に近づきたかった?
ますます意味がわかんない。
「り、莉緒奈さんに近づきたくて…
少しでも近づきたかったから…
け…喧嘩に勝って、
結果を残せば株が上がって
莉緒奈さんに近づけるかなって。」
はぁ…
どいつもこいつも同じ脳なのかな。
ほとんどの新人は
みんな同じこと言う。
「顔上げな?」
私がそう言うと
今にも泣き出しそうな明里は
ゆっくりと顔を上げる。
そして目線が合い、
私は口を開いた。