With 〜十字架と白薔薇〜






「第一!菜々は今きちんと好きな人いるもんっ♪」





「「え…」」





「もぉ、みんなして何その反応!」





「いや、だって…」




正直言って、とっかえひっかえいつも違う男を連れていた菜々が、きちんと好きな人がいると言ったのは初めてでみんなの反応も無理はない。




「菜々に好きな人とか、
明日は嵐かな。」




私が笑って言うと、




「莉緒奈ひどー!
いつもニコニコしてると思ったら
口から毒しか出ないんだから!」




唇を突き出し、
「もーいいもん。」と言わんばかりの態度でふてくされた菜々。




「ねぇねぇ、好きな人ができたってどんな感じなんだ?その人どんな奴?」




「お、いいこと聞くねぇ美奈。
お子ちゃまにはわからないと思うけど。」




「私も気になる!
菜々にしては珍しいからね?」




私がそう言うと、
菜々は嬉しそうに話しだした。







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