この運命を奇跡と呼ぶならば。

｢土方も黙ってないでなにか言ってよ。｣

｢あぁ。｣

｢ほら、土方。｣

｢あぁ。｣

｢土方？｣

｢あぁ。｣

｢…土方!!!!!｣

｢っな、なんだっ｣

桜は土方に顔を向けると助けを求めた。が、土方は上の空でボケっとしていて桜が大きな声で呼びかけるとようやく我に返ったように桜の方を向いた。

｢歳、どうしたんだ？ずっと上の空で。疲れたのか？ごめんな、俺がもっとしっかりしていれば…。｣

｢こ、近藤さんっ。近藤さんのせいじゃありませんよ！近藤さんは、この人をどんどん頼って下さい。…土方さん、近藤さんに心配をかけさせないでくださいね？｣

近藤が眉を寄せて心配すると、沖田がすぐさま否定の意を示し、土方に子供のような表情でベーーっと舌を出した。

｢総司…てめぇ、他人事だと思いやがって…。お前は第一、サボりすぎなんだ。もっとちゃんと仕事をしろ。そしたら、近藤さんの為にもなるんだ。｣

｢…そうなんですか。｣

沖田は近藤の為、その言葉を聞くとぐっと押し黙るようにチラッと近藤の方を見た。そして、近藤は苦笑いを浮かべながら二人を見ていた。