この運命を奇跡と呼ぶならば。

｢近藤さんのためになるなら…。｣

｢総司！偉いぞ、頑張れ！｣

｢近藤さんっ！｣

拗ねた子供のように口を尖らせてもごもごと言うと近藤は沖田の頭をぐしゃぐしゃと撫でまわした。沖田も嬉しそうにニコニコ笑っている。

｢…親子みたい。本物の、家族みたい。｣

それを見ていた桜は一人でポツリと呟いた。

｢桜、さみしいか？｣

｢別に。そんなこと… ｣

｢そんなこと、なんだ？｣

土方はそんな桜にそっと近づいて小さな声で尋ねた。羨ましそうな視線で近藤と沖田を見ていたが土方に尋ねられ、すっと視線と顔をしたに落とした。

｢桜！気にすんな！俺らは家族みたいなもんだろ？俺が兄貴になってやる！｣

｢新八が？｣

｢あ、ずりぃぞ。新八！俺だって桜の兄貴になってやる！｣

｢土方さんはお袋か？｣

｢じゃあ、近藤さんが親父だな！｣

｢…誰が、お袋だって？｣