この運命を奇跡と呼ぶならば。
「そ、そうだけど。話を逸らさないでよね~。」
そう言いつつも、沖田の目はキラキラと子供の様に輝いている。桜はこれ以上自分の事を探られない様に自分のポケットの中身を確認して
「未来の甘味の事を教えてやろうか?それにここに二つだけあるんだよ。」
桜がそう言うと沖田は身を乗り出して桜の話を聞き始めた。そうして、ポケットから飴とクッキーを取り出して 片方だけならやるよ。 そう言ってクッキーを差し出すと沖田はじーっとクッキーを見つめたあとパクッ、と口に含むと
「美味しい。未来の甘味はこんなに美味しいの?」
「あぁ。そうだ、私達も大好きで小さい頃もよく食べていたよ。」
「私‘達’?私達って、誰の事?」
「ぁ…ぃや。えっと、その…」
沖田は普段からポーカーフェイスを崩さない桜が狼狽えてるのを見て玩具を見つけた子供の様に瞳がランランと輝き始めた。それに、監視対象である桜の事を知る事が出来るかも知れないそんなことも考えながら。