この運命を奇跡と呼ぶならば。
「嫌…ッ!!はぁ…はぁ…ッ」
飛び起きた桜は髪をぐしゃぐしゃにするとほっと息を吐いた。
嫌な夢を見たせいで桜はびっしょり汗を書いていた。やがて、立ち上がると沖田が隣で寝ているのを確認してから外へ出た。そして、どうやってか屋根へ登ると空を見上げる。
「ふぅ…涼しい。星が綺麗だな~。未来じゃこんなのは見れないもんね。
…春にも見せてあげたかったな。」
「そうだね、綺麗だよね。」
いきなり後ろからかかった声に驚いた桜は肩をビクつかせてしまった。
「あれ、ビックリした?ごめんね。(笑)」
沖田は悪びれもせずそう言うと桜が座っている隣へ腰掛けた。
「当たり前だ。それと、謝るならもっと誠意を持って謝罪しろ。」
沖田は桜の話を無視するといきなりこんなことを言い始めた。
「ねぇ、さっきみたいに喋ってよ。君ってさ、まだ僕たちを警戒してるの?」
「断わる。それに、‘警戒’??当たり前だ。私のことを信用していないお前達を何故、信用しなければならない。信じるなんて言葉は嫌いなんだよ。」