この運命を奇跡と呼ぶならば。


「ゲボッ…ッ!ゲボッ、ゲボッ!…ゴホッ!」


「総司!!!」


「さ…く、ら…くっ…ゴホッ!」


桜は駆け寄ると沖田の背中をさすりながら声をかけた。


「無理に喋るな。大丈夫。」


大丈夫。桜がそう言うと安心したのか目を閉じて気を失ってしまった。


「桜。総司と平助は…ッ!!!」


「大丈夫。気を失ってるだけだ。怪我はして無い。」


斎藤が部屋へ入って来て、気を失っている沖田を見て驚いた様子で尋ねてきたが桜の返事にホッとした様子を見せた。

が、桜の続けられた言葉に焦りを見せた。


「だが、平助が額に傷を負って向こうの部屋で気を失っている。」


「何ッ!!!何故、そのような事に!?平助は無事なのか!?」

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