光 (ver.2005)

第13夜・川端国男(7)

2005/12/19(月)

手が震えて、字が上手く書けない。
凍え死んでしまいそうだ。

昨日、アキラにもう一度電話したら留守電だったので、
今朝、バイト先の近くで張り込んだ。
六時頃、出てきたアキラを詰めた。
あまりのしつこさに、殴られるんじゃないかとも思ったが、
意外とそんなことはなかった。

今日から僕は有給休暇を取っているので、
ミドリを探すことに専念できる。

会社では、僕は今ハワイに行っていることになっている。

アキラがなかなか口を割らないので、
目の前で、ミドリから電話がかかってきた振りをしたり、
両親から大事な伝言を預かっていると言ったり、
思いつく限りの嘘をついた。

昼過ぎになって、やっとアキラは手がかりとなるようなことを話し始めた。

ミドリは今一人ではないということ。
僕にだけはどうしても伝えたくないとミドリが切望しているということ。
僕もアキラも知らない、彼女の大学時代の友人の家に居るということ。
アキラもそれ以上は知らないということ。
そして、ミドリが居候しているという、彼女の友人の名前。
最後に僕にだけは絶対に教えてはいけないと、ミドリから堅く口止めされているということ。

やっぱりアキラは口が軽い。

僕はそれからミドリの通っていた大学に行き、図書室に忍び込み、卒業名簿を調べた。
そこからさっきの友人の名前と住所を写し取り、
そこへ向かった。
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