Sunshine Door
何度マスターの言葉を頭の中で再生しても理解することが出来なかった。




「ユウト君はサヤカさんのことをずっと想っているんですよ。

あまり話してくれたことはありませんが、一度だけユウト君が普段より多めにお酒を飲まれた時に、愚痴にも近い形で話してくれたんです。

「サヤカの失恋の傷が癒えたら告白する」と。

彼はサヤカさんのことを大切に思っているんです。

二人のことは私もたくさん見てきたつもりです。

おせっかいかもしれませんが、せめてユウト君の覚悟が決まるまでぐらいは待ってあげてはどうですか?」




私はマスターの話を聞き、頭が真っ白になった。


慣れないアルコールの頭痛が一気に冷めた。


冷めたどころか、ギリシャ神話に出てくるラミアに頭を粉々に砕かれたような気分だった。




私は大馬鹿だ。

私がつき続けてきた嘘は残酷にも二人の時間をたくさん無駄にした。


そしてユウトのことをたくさん傷つけていた。


私はユウトのことをこんなにも好きなのに
彼の優しすぎる気持ちを一度も理解しようとすることなく、ただただ甘えていた。


ユウトは自分が告白出来るタイミングをずっと待っていたのだ。


そして私のことを大切に想っていてくれたのだ。
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