青い嘘とブルーなKISS
待ち合わせ場所に到着すると背後からだけ見てもセナをすぐに見つけることが出来た。


私は軽めのトーンで声をかける。



「セナ?」

彼は振り向くと不機嫌ではない笑顔で「どこに行こうか?」と続けた。




「どこでもいいよ セナと一緒なら」

「じゃあ歩きながら考えようか」



私はずっと臆病で誰かに嫌われたくなくて、嘘をまとって生きてきた。



しかし背伸びなんて嘘をつかなくてもちゃんと笑い合える相手が隣にいると思うと、会話が途切れることなく言葉が溢れ出てきた。



私は今までの時間を取り戻すかのように彼の手をずっと強く握りしめ、セナに何気なく「ミウ」と言われる度に自分の名前が少しだけ好きになれた気がした。



そういう相手に出会えたことに対しても胸の高まりが抑えきれずにいた。




「そう言えば何も食べてないけどミウお腹すいてない?」

「うん?  少しだけすいたかも」




「何か食べたいものある?」

「食べたいものはないけど外で日差し浴びながら食べたいかな。」




「じゃあ何か買って外で食べようか?」

「うん そうしよう。」




「昨日と違って天気いいしね」

「うん」





「全く雲一つないし、すごく青いね。ミウ」


「うん、すごく。とてもアクアブルー」




そう言ってから二人は何度目かなんてどうでも良くなるほど甘くて優しいキスにお互いが身をゆだねた。
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