隣のオオカミくん。
□優花side
コレは、一週間前の事だった。
「あ、天川さんじゃーん」
新学期を迎え、席替えが行われた。
大事なスタートを切る新学期。
「え、隣?」
「うん、そうだけど」
シレッと答えるのは、同じクラスの斎藤海斗。
通称、オオカミくん。
その名の通り、とんでもないオオカミだ。
「仲良くしようね。優花ちゃん♪」
この人の隣だけは、嫌だと恐れていた。
この人の隣だけは、なりたくなかった。
それなのに。神様は意地悪だ。
「…宜しく」
こんな奴の隣を選ぶなんて。