Eメール
キキーーーーッ!!!!ドンッ!!!














…俺は気が付くと地面に倒れていた。
ゴムの焦げたような臭いが鼻につく。

目の前は真っ赤っかでよく見えない。
ゆ…夕日ってこんなに赤かったっけ?


うっ!痛!いてぇ!いてぇ!死にそうだぁ…。
あ…足が片っぽ無いじゃん。う…腕もなんか変な形なんですけど…。


ああ…携帯が鳴ってる。


出なきゃ…。




なん…だ、メールかよ…。




そ…そうか、マコ…トだ。

な…なんて…書いて……あ…る…ん……だ?



『純也君が飲んだ薬はただの睡眠薬だよ。…だから私を信じてって言ったのに。』




は………はは……バカ…げ……てる…。


遠くからはサイレンが小さく聞こえていた。







『霧島純也(享年31才)




夕方、17時53分頃…交差点にて、突如飛び出し、大型トラックに跳ねられ重体。
救急車で緊急病棟に搬送されるが、間もなく死亡。
飛び出しの原因は睡眠薬服用による目眩と思われる。
仮釈放中だった。手には大事そうにびしょ濡れの巾着袋を持っていたと言う…。

余談として…この後にマコトの姿を見た者はいない。』



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