恐愛同級生
「ゴホッ……――うぅっ……――」
翔から解放された好未は床に座り込み喉に手を当てて激しくむせる。
失われた酸素を体内に取り入れようと口を大きく開けて息を吸い込む好未の前にしゃがみ込むと、翔は冷めた目で好未を見つめた。
「二度と莉乃を傷付ける様な真似はするな」
淡々とした口調でそう告げると、いまだに苦しそうな好未の頭を指先で小突く。
「返事は?」
「ハァ……ハァ……」
いまだに呼吸が安定しない好未は翔の言葉に答える余裕がない。
「おい、返事はどうしたんだ」
垂れさがった好未の茶色い髪が翔に小突かれるたびに左右に揺れる。
「聞いてるのか?黙ってないで返事をしろ」
翔は黙って何も言うことのできない好未に執拗に攻撃する。