恐愛同級生

「俺、莉乃以外の女って考えたこともないし莉乃を裏切るようなこと絶対にしないから。だから……――」

「じゃあさ、どうして二人でベッドにいたの?」

「えっ……?」

スッと顔を持ち上げて翔に視線を向ける。

一瞬ひるんだ様子を見せた翔。だけど、すぐに元通りの顔になった。

「実は、白石に脅されてたんだ」

「脅されてた……?どうして?」

「俺、中学の時……彼女がいたんだ。その子と白石にたまたま共通の友達がいたらしくてさ。それでいろいろ……」

「中学のときの……彼女……?」

「あぁ。俺、莉乃に言ったよね。莉乃が初めての彼女だって」

「うん……」

確かに翔は付き合う前に言っていた。

あたしが初めての彼女だって。

翔みたいにかっこいい人の初めての彼女になれたってすごく嬉しかったことを今でも覚えている。
< 151 / 303 >

この作品をシェア

pagetop