クール上司と偽装レンアイ!?
いやだ……行きたくない。

でも、そんな主張を出来るはずがない。

これは雑用を断るのとは違う会社の正式な人事異動だもの。

それに別府課長は購買部から抜けても一番影響の無い人物って事で、私を選んだんだって分かってるから。

私が一番必要ないから……。

実感すると辛くなって涙が出そうになった。

打ちのめされて言葉が出て来ない。

「何だよ、そんなにショックか?」

別府課長は私の顔色で察したのか面倒そうに言う。

「購買の仕事は合って無さそうだし嫌がってると思ってたんだけどな」

「……嫌だなんて思ってません。もっと頑張りたいと思ってます」

何とかそう言うと、別府課長はふうと今日何度目かの溜息を吐いた。



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