クール上司と偽装レンアイ!?
8人がけのテーブルが置かれた第3小会議室。

機嫌悪そうな顔で上座に座る別府課長は、私が部屋に入ると同時に口を開いた。

「広瀬。お前はもう購買丸三年だよな」

「は、はい。新入社員で配属されましたから」

いつもより2割増しで機嫌の悪そうな声。

ビクビクしながらも応えると別府課長は盛大な溜息を吐いた。

「それで未だにアシスタントだなんてお前随分のん気だな」

お酒の席でも無いのにストレートに言われてしまい、言葉に詰まる。

別府課長は2度目の溜息を吐くと、机の上に置いて有るノートパソコンに目を遣りながら言った。

「購買から一人、人を出して欲しいって製造部から言われてる」

「製造部……ですか?」

製造部は製造過程の現場の事で、本社とは離れた埼玉の工場に有るんだけど……なんとなく嫌な予感に陥りながら別府課長の話の続きを待つ。

「今のところお前が候補だから」

「ええっ?」

嫌な予感は有ったものの衝撃の宣告だった。

だって……少しずつ上手く行って来てるのを感じてる今異動だなんて。

しかも埼玉工場。本社からは遠くて葵とも離れてしまう。

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