クール上司と偽装レンアイ!?
「本気で言ってる?」

神崎さんは、いつもは感心無さそうな目で私を見る。

でも今は違っている。
真っ直ぐに私の目を覗き込んで来る。

その目に捕らわれてしまい、私は身動きが出来なくて、小さな声を出すのが精一杯だった。

「ほ、本気です」

「だったら、付き合ってみる?」

「え?」

「本当に付き合ってみるかって聞いてるんだけど」

神崎さんは私の耳の辺りに手を伸ばして来て、顔を反らせないようにした。

こんな反応が返って来るとは思って無かったから、もうどうすればいいのか分からない。

それでも、夢中で何度も頷いた。

神崎さんは小さく笑うと、そのまま顔を近づけて来た。

そして、唇が触れそうな際どいところで止まる。


「……!」

もう声も出ない私に、神崎さんは今まで聞いた事の無い様な低いけど甘い声で言う。

「今から恋人って事で」

急展開に、頭はついていかない。

まるで夢のようなフワフワした気持のまま、神崎さんの魅惑的な微笑みを見つめていた。


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