たったひとりの君にだけ
休みが近付くと小学校低学年の男子並に元気になるのが近藤瑠奈だ。
だけど、彼女の言い分はわからなくもない。
少なくとも私も、バブル時代に生まれた“華金”という死語に倣うように、待望の週末を同僚とアルコールで迎えることは多い。
そして、二日酔いが酷くなければ、それなりに土曜日くらいは気晴らしにショッピングに出掛けることもある。
コスメカウンターに長居したり、コーヒー片手にカフェで本を読んだり、帰りに一人ラーメンに舌鼓を打ったり。
これぞ独身女性、と言わんばかりの一日を過ごしたりする。
(勿論、男がいる場合はそちらに時間を割くこともあるけれど)
だけど、一週間の疲れの所為で、土曜の大半をベッドでゴロゴロと過ごすことだってある。
溜まった洗濯物と格闘したり、掃除機とコロコロをフル稼働させたり、結局動き回って疲れて休日を終えることも少なくはないのだ。