たったひとりの君にだけ

とりあえず腹ごしらえをしよう。

時間も時間、早起きして掃除に夢中になって朝ご飯も抜いたわけだし、お腹が空くのは当然だ。

気分は路地裏の小さなカフェ。
客のピークは過ぎたはず。

ブランチ+3時のおやつにしよう。
出来ればクリームブリュレがいい。

そして、目的地を定め、歩みを進めようとした矢先、前方から歩いて来た人とぶつかった。

そのままショップの袋が手から落ちる。


あぁ、美容液!


本音がダダ漏れ状態。


割れたらどうしてくれんのさ!


「すみませんっ」

「……いえ、こちらこそ」


努めて冷静に、一応の挨拶をしつつも脳内では。


高いんだよ!

増税前だからまとめて2本買ったんだよ!


と懲りずに心の中で激しく突っ込んでいたところで、足元の袋からはみ出た本が視界に入った。




【眼鏡は地球を救う】




嘘だろ。
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