たったひとりの君にだけ
だけど、社会人の休日前夜は誰だってこんなもんだよ、と心の中で弁解した私はなんだかんだ言って彼女を嫌いになれないらしい。
「……とりあえず落ち着いてくれるかな」
今年の任務は終了したと断言したけれど、終了間近に仕事をひとつ増やされた。
けれど、本音を言うと、こうなることは軽く予想はしていた。
実際は想定内だっただけの話である。
「ミツオとどんなデートしたわけ?」
「ごめん、とりあえず既に2つ訂正させてくれるかな」
からかってるのか、なんなのか。
人相を悪くしていた細目をやめて、キラキラの瞳で私を射抜こうとする。
外資系のマスカラやらアイラインを使わなくたって、充分なほどの大きさを有して吸い込まれそうになるくらいなのに。
世の男共は、この瞳から繰り出されるビームやら上目遣いにでもやられているのだろうか。
うん、そうだ。
やっぱり騙されているに違いない。