平等主義彼氏の彼女の苦労
「え…」
なんで結城さんが私に電話なんか掛ける必要があるの?
これから何を言われるのか、凄く怖くなった。
だって、共通の話題は、玲音のことしかないから。
「時間がないので、単刀直入に言わせてもらいます。」
「……はい。」
ゴクリ。思わず喉がなる。
『私、染田君のことが好きです。
一昨日、告白しました。』
…!!
なんだ、なんなんだ…
事実が重くのし掛かり、
黒い感情が私の心を黒く染めた。
『デートまでこぎつけたんです。
意味、分かりますよね?
…あなたは、私が染田君を奪ってもいいんですか?』
プツン…
私の中で、何かが切れる音がした。
「あん…に…」
『え…?』
「あんたなんかに、玲音は渡さない!
たとえ玲音が今私を見てなくても、また見てもらえるように努力する。
もう彼女だろうがクラスメートだろうが関係ないよ。
私はあなたの千倍、玲音のことが好きだから!!」
ここまで激しく女の子に言ったのはこれがはじめて。
彼女の返してきた言葉はまたもや意外なものだった。