君のそばにいてもいい?
「…まだ開かない…?」
いくら頑張って開けようとしても、
ドアは開かない。
あれ…私ってそんなに非力だったっけ?
とちょっと悲しんでいると
「ああ。それ、僕の持ってる図書室の鍵も使って開けないと、出られないようにしてあるから」
そう言うと桐谷は
ほら、ここに鍵穴があるでしょ、と鍵穴のある場所を指す。
「…はぁ!?」
私は思わず叫んでしまった。
「…な、なんでそんなことを…」
私が問うと桐谷は
「…だってこうでもしないと、許斐、逃げる可能性だってあるじゃん」
「う…」
それは確かに言えてる。
よく考えてるな…桐谷め…