Under The Darkness





 ――……見られた!



 手繰り寄せたシーツを胸元で固く握りしめ、クッと歯を喰い締める。


「これは自傷行為ですね。いつからですか」


「え」


 落ちた視線を再び京介君へと向ける。

 京介君が誤解しているのだと分かり、焦った。


「全身、特に上半身は酷い。……酷すぎる。医師は、古いものもあると言った。――いつからだ」


 恫喝するように低く強い、けれど、静かな声。

 私は、そうではないと頭を振った。


「ち、違う、自傷とかそんなん違う!! 洗っただけや! 綺麗にならへんから、綺麗になるまで洗ったんや!」


「肌が破れ、肉が見えるほど、洗ったと?」


 イライラとした口調で、険悪にすっと目を細めて、私の言葉が理解できないって風で見つめてくる。

 私は居たたまれなくなって、京介君に向けていた目を伏せた。


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