この恋、国家機密なんですか!?


「さて、部屋に戻るか」

「ちょ、待って、宗一郎さん」


宗一郎さんは私の手を引いて、部屋のドアの前までずんずん歩く。


「ねぇ!待ってよ」

「なんだ?」

「色々聞きたいことがあるんですけど!」


しかも、私の部屋のドア、勝手に開けてるし!

宗一郎さんは黙って、私を部屋へ引きずり込む。

すぐにドアは閉められ、暗い室内に入る間もなかった。

がちゃりと、冷たくて重い音が響く。

まさかと思って手元を見ると、銀色の手錠が、私の両手首をつないでいた。

な、なんで!?


「あの、宗一郎さん?」

「質問は禁止だ」


玄関の電気もつけず、宗一郎さんは私の背中をドアに押しつけた。

暗闇の中、目が慣れてくる。

目の前の宗一郎さんは、私をにらむようにして見つめていた。


「あとで聞いてやる。答えられることは答える。だから今は、質問するな」


至近距離でそう言うと、宗一郎さんは私の服に手をかける。


「え、あの」


まさか、こんなところで!?


「宗一郎さん、外に聞こえちゃ……」


反論しかけた唇を、宗一郎さんの唇がふさぐ。

深く重なったそれが離れると、またすぐに触れられる距離で、彼は言った。


「……俺を妻子持ちだと疑った罰だ」   




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