この恋、国家機密なんですか!?


「とにかく、正月は俺と過ごせ。明日は大みそかだな」

「今日の報告書と清算書を出しに行かなきゃ」

「それが終ったら、まっすぐ家に帰っていろ。俺も明日は内勤で、終わったらすぐにここに帰ってくるから」


……会社には申し訳ないけど……。

どうしよう、すっごいうれしい!
普通のカップルみたい!

ううん、カップルだって、お正月くらい、それぞれの実家じゃない?

お正月に一緒にいられるなんて、むしろ夫婦みたい!

うわっほーい!!


うきうきして、私はたずねる。


「宗一郎さん、おもち好き?お雑煮は煮込む方?それとも焼きもちを入れる方?おせちは?ああ、もう予約が間に合わないかも……」


宗一郎さんと過ごせる、初めてのお正月だ。

喜びすぎてテンパってきた私に、彼はひとこと。


「いや、餅もおせちもいらない」


え……いるでしょ!なんで?


「くれぐれも、食料の買い置きはするなよ」

「えーなんで?おもち嫌い?」

「そうじゃなくて」


彼はにやりと笑う。
何かたくらんでいる顔だ。


「な……なに?」

「出かけるから」

「え?もう一度……」

「いいところに連れてってやるから」



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