この恋、国家機密なんですか!?
こった肩と背中がぱきぱき音を立てると、背後から嬉しそうな宗一郎さんの声が聞こえてきた。
「つらそうだな。たまにはほぐした方がいいぞ」
だからって、だからって~!
ああ、もう、そう言いながら、もう一本の……宗一郎さんの帯が解かれる音までする。
「いいにおいがする」
背中に唇を寄せられれば、条件反射でびくりと震えてしまう。
外されたブラが妙なかっこうで腕にからみ、余計に肩が痛かった。
それなのに、私は結局また、宗一郎さんの好きなようにされて、喜んでしまったのである。
のである、とかかっこつけてもしょうがないんだけど。
ああ……完璧に重症。
縛られて、抱き合っている間は、やっぱり安心できる。
この人についていけるのは、きっと私だけなのだと思える。
だけど……。
違う。本当は、違うの。
本当は……もう。
抱き合っている間しか、安心できないの。
何も話してくれないあなたが、私を必要としてくれると思えるのは、このときだけで。
胸に芽生えた違和感と、あなたの周りの人への嫉妬が、どこかで渦を巻いている。
ねえ、どうして?
赤ちゃんがほしいなら、私が産んであげるのに。
他人の子供を見て、そんなうらやましそうな顔をするなら、プロポーズしてくれればいいのに……。
どうしてあなたは、そうしてくれないのでしょうか?