ラスト・ジョーカー
第二章 世界の形

*第二章 世界の形 1*



 いつの間にか眠っていたらしい。


目が覚めると、見覚えのない毛布に覆われていた。



(なにこれ)



 訝りながらも、頭から眠気が抜けきらない。

しばらくぼうっとしていると、リビングのドアが開いて、ゼンが顔を出した。




「目が覚めたか」



 ゼンがぼそりと言った。

エルは頷き、立ち上がる。

毛布を取り去ると、冷たい空気にぶるりと震えた。


それから床に落ちた毛布を見つめて、ゼンの顔を見た。




(ゼンがかけてくれたのかな)



 ふと思う。

日本の冬の気候程度では、異常な生命力をもつエルはたとえ毛布を掛けずに寝ていても死にはしないが、そのことをゼンは知っているのだろうか。




 ゼンは、エルを調べたと言った。


だが実際のところ、エルのことをどの程度知っているのだろうか。



「ゼン」



 エルはおそるおそる呼びかけた。


鞄に買ってきたものを詰めていたゼンは、手を止めてエルの顔を見た。



「あたし、エルっていうんだけど……」


「は? 知ってるけど」



 ゼンは間髪入れずに答えると、思いきり怪訝そうな顔をして、「なに? いきなり」と言った。



「いや、ゼンって、あたしのことどのくらい知ってるのかなって、思って……」



 訝しげな表情をありありと顔に浮かべ、それでもゼンは、答えてくれた。



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