愛を知る小鳥
整った顔の男の真顔には凄まじいパワーがあった。
思わずフリーズしてしまうほどに。

「俺は色恋に現を抜かす秘書はいらないんだ。基本的に来る者拒まずだが身内に手を出す主義はない。仕事と遊びはしっかり区別する質でね。だが最近の秘書は何を勘違いしたのかそれができていなかった。そこでその辺りの分別がしっかりつく人材を探していた」

何を勘違いって…自分がだらしないのが原因でしょ!
言いたい言葉をぐっと飲み込んで冷静に答える。

「…それが私だったということですか?」

「そういうことだ。さっきも言ったようにお前の能力は上の人間には割と有名な話だった。少し前に総務部長と話す機会があってね。聞いたところによると異性関係にはとんと浮いた話がないらしいな。飲み会にも極力参加しないらしいし。色々聞いて俺の秘書にもってこいだと判断した」

「そんな勝手な…あまりにも突然すぎます! しかも理由が専務の女性関係のためだなんて…」

「これは上司命令だ。従わないならそれなりの処分を負うことになるぞ?」

「脅しですか?………最低ですね」


聞こえるか聞こえないかの小さな声でボソッと呟いた。
< 16 / 328 >

この作品をシェア

pagetop