「26歳と18歳」聡side
プロローグ
降りしきる雨の中、俺はあいつと出会った。
誰もいない空き地で悪徳業者に絡まれケガをしていた俺は雨にうたれていた。そのとき、一人の少女が傘をさしてくれた。
「大丈夫ですか?よかったら私の傘…」
優しく微笑みながら言ってくれた。
少女のまわりにはキラキラしたのがみえた。
見たところ少女は学生だ。
制服は目立つような色でアクセサリーをつけていた。
そう思っていた俺は目の前が霞んでいるのに気づいた。
「あ!あの、しっかりしてください!!」
少女の声が聞こえなくなってくる。
意識が遠くなっていった。

ー5年後ー
「嫌!やめてください!!」
路地裏からの女の声。
喧嘩か何かか?ま、俺には関係ないがな。
だけど、俺はその場から動けなかった。
「少しつきあえよ。」
「だから、私、そういうの好きじゃないんです!」
俺は女を見た瞬間、目を疑った。
嘘だ。嘘だ。嘘だ。
嘘だと信じたかったのに体が動いた。
「ムカつく女だな。殴ったら大人しくなるか?」
「嫌!」
女を殴ろうとしていた男の腕を掴んだ。
「なんだお前!……!!」
「俺に対してなんだ…か。おもしろいな。」
「し、失礼しました!!」
やっぱりな。悪徳業者の奴らか。
「あの!ありがとうございました!」
「…ケガはないか?」
「大丈夫です。」
「家まで送ろう。立てるか?」
「はい。あ…でも…」
「どうした?」
「私…家がないんです…」
う、嘘だろ?ホームレス少女なのか?だが…なんなんだ?この美貌は…!
つか、今までどうやって暮らしてたんだ?
「…親は?家がないって何があったんだ?」
「両親は私が幼い頃に亡くなりました。身内は全然いなくて…今は、親戚の家で暮らしてるんですけど…どうも、私には合わなくて…」
親戚って…家あるじゃねぇかよ!
「じゃあ……俺の家に来ないか?」
何を言ってんだ!俺は!!
「え!?でも…初めて会った方に…」
初めて?初めてじゃねぇ!俺とお前は一度会ってんだ!見た瞬間、わかったんだ!忘れてるなんて言わせねー!
「ちょっと来い!」
「え?あ…あの!」
「なんだ!」
女の足の力が抜けた。そのまま、倒れてきて、俺はとっさに抱きとめた。
「お、おい!」
「すみません…なんか…足に力が入らなくて…」
チッ…仕方ねぇな。
「ちょっと我慢してろ。」
「え…?きゃ!?」
俺は女を抱きかかえ、自分の車があるところまで走った。
「あの…どこに…行くんですか?」
「俺の家。」
「な、なんで!?」
「足に力が入らないんじゃ、何もできないだろ。」
「あ……すみません…。」
というか、こいつ…風邪ひいてるんじゃ…顔赤いし…
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