だから私は雨の日が好き。【春の章】※加筆修正版
「時雨さんひどいッスよー。篠木だって笑ってるじゃないですかぁ。」
「わかってるわよ、篠木も同罪。篠木はココア買ってきて。小さくてもいいから美味しそうなの、お願いね」
「了解です。時雨さんのご要望には逆らいません」
篠木大悟
(シノキダイゴ)。
入社二年目。
松山の同期。
松山とは違って大人びた雰囲気の男の子。
切れ長の目にすっと通った鼻筋。
眼鏡をしていてもわかるくらい、綺麗な顔立ちだな、と思う。
ちょっと嫉妬しそうになるくらい。
最初は大人しくて発言もあまりなかったので、企画営業部でやっていけるか心配をしていた。
けれど、篠木は誰よりも純粋に仕事に取り組み、わからないことは自分で納得のいくまで調べてから質問に来てくれる。
時間はかかるけれど、地道な努力をコツコツしてくれる頑張り屋な面が彼の魅力だ。
仕事を覚えてしまえば、後は知識の量が多いので頭の回転もいい。
愛嬌と話術で上手く世渡りをする松山と、情報量で正確に理論を組み立てる篠木。
このコンビはお互いを刺激して成長してくれている。
今やこのチームに欠かせない存在だ。
「もう、笑い過ぎだよ、ホント」
「いや、だって!森川さんのせいじゃないッスか!?」
「・・・ん?俺のせいじゃないだろ?」
「あぁ、俺も森川さんのせいだと思いますよ」
「そうか。・・・悪かったな」
本気でしゅんとしている森川を見て、もう一度部署が笑いに包まれた。