だから私は雨の日が好き。【春の章】※加筆修正版





企画営業部は現在七人で成り立っている。

立案した企画のプレゼン自体は、もう少し人数編成が多い。

なので、キャンペーン時期になると他部署に混ざって仕事をする、何てことはザラなのだ。



クリエイター部門との調整もクライアントとの調整も抱えているので、いわば『何でも屋』のような役割を抱えている。


私は営業補佐なのでそこまで表に出ることはないが、森川や他の営業に携わるみんなは、期日や他部署との調整に追われる毎日だ。




「悪いな」


「どういたしまして」




森川が甘いものを欲しがる時は仕事が上手く回っていない時だと知っている。

一緒に仕事をしていれば、そういうのはおのずと見えてくるものだ。



例えば、CMの作成の時。

『時間待ち』とか『天気待ち』が存在するように、紙面の時は外注したカメラマンからの『画像待ち』なんて事もある。

他部署からの連絡待ちも往々にしてある。

その『待ち』の時間にやることを整理して上手く調整しているのだが、不安になることだってあるのだそうだ。




本当に大切なことしか言わない森川。

弱音や辛い事は自分だけがわかっていればいい、とあまり口に出したりしない。


真面目すぎる気がするけれど、それも森川の素敵なところだな、と思う。





同僚として、尊敬しているところ。




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