蒼夏の刹那
【約束編】蒼く紡がれた世界で
これは冬のお話。



なぎくんと初めての約束。



前日になぎくんと一緒に本を見ながら決めた。



水族館と図書館が同じ敷地にある、ちょっと珍しいとこだ。



服は散々悩んだ結果、いつもとあまり変わらない格好になってしまった。



「やっぱりいつもと違う感じにすれば、よかったかも……」



真っ白なふわふわしたコートの下は、桜色のワンピース。



服買いに行けばよかったなあ。今さら後悔したって遅いけど……



私が百面相してると、突然黄色い歓声があがった。



「みてみて!あの男の子、超カッコイイよ」

「誰かと待ち合わせかなあ」



……なぎくんだ



私みたいなのと待ち合わせって、知ったら……どうしよう!?



びくびくしていると、なぎくんが私の前まで来てしまった。



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