蒼夏の刹那
夕暮れのあの坂道で
一度沈んだ意識はすぐには浮上せず、次に目が覚めて携帯の画面を確認すれば、丁度昼の時間をさしていた。慌てて体を起こし、ふらふらと着替え始める。



ふと、全身鏡が目に入った。鏡の中の自分は顔色も悪く、蒼がいた頃よりも少し痩せてしまった。



自覚はあるものの、いつからか気にしなくなって感覚が麻痺してきたかもしれない。



ふらふらとキッチンまで行き、冷蔵庫を開け適当にチーズやらハムを取り出し口に入れる。



味なんてよくわからないし、今の自分にさほど意味なんてない。






どこにも、意味なんてない。






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