蒼夏の刹那
時間の経過の感覚はなく、何もかもがおかしい。



窓を見れば、空が傾き始めていて、ソファから立ち上がりふらふらっと家を出ていく。



今から家を出れば十分間に合う。



「蒼……待っててね、今そっちに向かうから……」



ぶつぶつ呟きながら歩く姿に周りが気味悪そうに見ていても、そんなのはどうでもいい。



蒼がすべてで、周りがどう思おうが関係ない。



それだけが、私の世界のすべてだった。



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