蒼夏の刹那
自転車を引いた蒼が立っていた。



いつもと変わらない向日葵のような笑顔を浮かべて、制服を着た蒼が。



「あっ、ああっ……」



声が震え言葉にならない。



だって、ずっとずっと会いたかった人がそこにいる。



「藍花」



優しく名前を呼ばれ胸がいっぱいになって、思わず駆け出して蒼に勢いよく飛びついた。



「うわっ」



そのままバランスを崩し、倒れ込む。



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